
熊本で4月14日に最初の地震が発生してから6日が経とうとしています。
未だ多くの方が小学校の体育館などに避難したり、県外の実家やホテルなどに疎開している状況です。
特に被害の大きい益城町などでは住む所もなく車中泊を余儀なくされている方も多いようです。
僕が住んでいる熊本市中央区も、4月16日にM7.3・震度6強 (本震) の地震により甚大な被害を受けました。
被災直後からの状況をまとめたブログはコチラです。
追記:熊本地震以降でも、鳥取・茨城・大阪・北海道と、震度6以上の大きな地震に見舞われています。
ご自身や、ご家族の身を守るためにも、この記事をお役立てください。
熊本地震本震後の行動
16日の地震(01:25頃)ではこれまでに感じたことの無い揺れで、寝ていたのですが飛び起きてすぐさま布団で身を守りました。
しかも、揺れている時間が非常に長く (体感では5分以上に感じた)、その間は心臓のバクバク音が鳴り止まなかったことを鮮明に覚えています。
揺れが収まった後は、余震の恐怖から、水と懐中電灯を持ち上着を着てブレーカーを落として、近くの避難所(小学校)に移動しました。
2時間ほど校庭で座っていましたが、体育館が開放されたので、体育館に移動して、そのまま朝を迎えました。
言い様のない不安からなのか足が小さく震え、また余震が頻繁に来るので、一睡も出来ませんでした。
朝が来ると、一度自宅の様子を確認しに帰り、必要な物(毛布や飲料水、ウエットティッシュ)をとり、コンビニでドーナツを買い (この時点でお弁当とパンは皆無)、避難所に戻りました。
その後は、避難所生活を続けて、昨日 (4/18) 自宅に戻りました。
これだけは準備しとくべきもの
地震直後、避難所の生活を通して必要だったもの、これがあれば良かったのにと思ったものを重要だと思う順に並べたので参考までにどうぞ。
1.飲み水
何と言っても水です。
地震後、お店から最初になくなったのが水 (お茶も含む) 。
大災害の後は、断水になることがあります。
水が無いとお米も焚けないのはもちろん、トイレが流せないというのも大きな問題です。
僕は、水が手に入るまでの数日はトイレを流さずに使っていました。
※トイレに水を入れて使う場合は、タンクの方に入れてください。そうすれば、通常通り使うことができます。
持ち出す用に2L、また備蓄用にさらに数本ペットボトルがあったほうが良いです。
家族の方は、もう少し余分に持っていたほうが安心です。
2.リュック
何でも良いです。
これから紹介するものが全部入るようなリュックなり登山用のザックなりを準備しておくべきです。
避難するときに、「あれもこれも必要だけど何処だったかな?」と探している暇はありません。
現に僕も、ある程度揺れがおさまってから、避難所に移動するまでの間に探しものをしている時間的・精神的な余裕はありませんでした。
また、慌てているので、必ず何か忘れ物します。
なので、あらかじめリュックに準備しておき玄関付近に置いておくことが大事だと感じました。
ここに、保険証のコピーや薬のリスト(処方箋)など重要な情報を入れて保管しておくべきです。
3.非常食
お菓子でも何でも良いです。
欲を言うならば、栄養の有るもので、水や火がなくても (調理しなくても) 食べることができるものがいいと思います。
冷蔵庫に冷凍ごはんがあるならば、それを持ちだしてもいいと思いますが、上でも述べたように準備している時間や心の余裕はありません。
とにかく食べれるものなら何でも良いです。
食料がないと精神的にも非常にきつくなります。
日頃、コンビニやすーぱーが近くにある方などでも、災害が起きたあとは、売り物(食べ物)が一つ残らずなくなります。
補給物資も地震直後などは足りないことが想定されます。
自分と家族の分は準備しておく必要があります。
4.転倒防止突っ張り棒
高い棚やタンスを置かないというのがベストなのですが、仕方のない場合もあります。
それら背の高い物には、転倒防止策を施すべきです。
実際に今回の地震で、背の低い棚が倒れてきた (当たりはしませんでしたが) だけでも強い恐怖を感じました。
本棚や食器棚などは重量もあるので、もし挟まってしまったら、怪我や骨折の恐れもあります。最悪、動けなくなってしまいます。
壁に穴が開けられる場合は(賃貸でできるかは分かりませんが)、金具を取り付けてもいいかもしれません。
5.戸棚ストッパー
最初の震度5弱では被害は少なかったのですが、震度6強の地震の後は上の写真の状態になりました。
見て頂ければ分かると思いますが、戸棚が開いて、中から食器が飛び出して割れていました。
写真に写っていないですが、上にも棚があって、そこからも食器が飛び出していました。
現在は、ガムテープを貼って余震対策を行っています。
食器が割れていると、室内の移動時も危ないので戸棚の耐震ロックをしておくべきだと感じました。
棚が開きさえしなければ、中で割れることはそうそうないと思います。
6.モバイルバッテリー
今回の被災で強く感じたことがスマートフォンの重要性です。
連絡手段としてのデバイスであることは周知の事実ですが、ライトとしても十分に使えると感じました。
今回の地震では、眠りについた後で、もちろん真っ暗だったのですが、枕元に置いていたスマホをすぐに手に取り、ライトで身の回りを照らして状況を確認することができました。
さらに、TwitterやFacebookといったSNSやラジオでの情報収集にも活用できました。
※SNSでは、誤情報(デマなど)もあるので、ラジオでの情報も併用して取るようにしていました。
そんなスマホですが、電池が切れてしまうと使いものになりません。
そこで、スマホを何回分か充電できるモバイルバッテリーを準備したほうがいいと思います。
電池タイプでもバッテリータイプでもどちらでも良いと思いますが、保管しておくということを考えたときには、電池タイプの方が長期保存に向いていると思います。
新品のビニールのついた状態での電池と、電池タイプのモバイルバッテリーをバッグに入れておけば、数日程度の電池の確保はできると思います。
ケーブルの入れ忘れがないように気をつけてください。

SONYからは、ラジオやライトが付いた手回し充電器という商品も販売されているのでこちらを検討してもいいかもしれません。
7.ブルーシート
校庭や体育館で直に座ると冷たさが伝わってきます。現に、4月の熊本でさえ、深夜は非常に寒かったです。
ブルーシートを1枚敷くだけで、多少緩和することができます。
また、避難所などでのパーソナルスペースの確保もできます。
さらに、車や木などにくくりつけて使うことで、雨風を凌げる簡易テントの設営も可能なので使用用途は幅広いです。
小さいサイズでいいので一家に一枚はあったほうが良いです。
避難所でもサバイバルシートを敷いた上に毛布などを重ねて使用している方もいました。
8.ウルトラライトダウン
南国の九州で、4月でしたが、外に長時間いると想像以上に体が冷え込んできました。
これが、真冬であったり、より寒冷地であったり、と考えただけでゾッとします。
防災用のグッズをまとめたリュックに入れておける防寒着が必要です。
もちろん、家族分必要です。小さいお子さんがおられる方は、大きいサイズのダウンであれば、毎年サイズの見直しを行う必要はなくなります。
ユニクロのウルトラライトダウンは、安価でかつコンパクトにまとまるので非常に良いです。
僕はダウンを持っておらずパーカーを着て、逆に知人はユニクロのダウンを着ていましたが、僕が寒さで震えている中、知人は平気な顔をしていました。
もし、1枚で寒いようならばダウンの重ね着で良いと思います。
高級なダウンを買う必要はありません(もちろん、予算が許すのであれば高機能な方が良いのですが・・・)。
また、色はできるだけ奇抜な方が目立ち、はぐれるリスクが減少します。
9.寝袋
避難所での宿泊の際に、毛布などが準備できればそれが一番良いのですが、準備できない時のために、避難するときに持っていくリュックに予め寝袋を入れておくことをオススメします。
僕は、家から避難所まで近く、一度毛布を取りに家に戻りましたが、今考えると、二次被害のリスクもあるので、落ち着くまではむやみに出歩かないほうが良かったと思っています。
暑さはある程度対処できますが、寒さだけは防寒具がないと辛いです。
家族分となるとかさばると思いますので、できるだけコンパクトになるものを選ぶ必要があります。
10.折りたたみリュック
水を持ってみると分かりますが、ペットボトルだと2Lを2本持つだけで他の物は何も持てなくなります。
給水場所では、袋タイプの入れ物に水を入れて配布されています。
そんな給水の時や食べ物を探しに行く時などに持っていく小さめのバックがあると非常に活躍すると思います。
手で持つと大変ですが、リュックであれば年配の方や女性の方でも楽に運ぶことができます。
折り畳み出来るので、普段は小さくかさばることはありません。
11.ウェットティッシュ
アルコールタイプでも純水タイプでもいいです、ウェットティッシュがあるだけで大分違います。
汚れた手を拭いたり、顔を拭いてさっぱりすることもできます。
断水しているとお風呂にも入れないので、体を拭くのに役立つと思います。
また、避難所は日が経つにつれ衛生的に心配になるので、そんな時にも重宝します。
12.耐震マット
僕の場合は、震度5弱の地震でデスクトップPC (iMac) が倒れ画面が割れてしまいました。
また、震度6強の時にはテレビも落下していました。
私財を守るためにも、固定や補強をした方がいいと強く感じました。
出来ない場合は、耐震マットをするだけでも大分違うと思います。
テレビやパソコンなどは固定も難しいので、耐震マットを下に敷くという方法が有効だと思います。
13.歯ブラシ
避難所でも、ペットボトルの水を少量使って歯磨きしている様子を度々目にすることがありました。
僕自身は、避難所に歯ブラシを持って行っておらず、自宅に帰ってきてから数日ぶりにハミガキをしたわけですが、歯だけではなく心もスッキリしました。
貴重な水がもったいないと思う方もいるかもしれませんが、僕は必要な行為だと思います。
過去の震災でも、感染症の予防などオーラルケアの重要性が言われています。
小さいサイズで良いので、準備しておくことを勧めます。
最後に・・・
どうしても独身の男目線の必需品になっていますのでご了承ください。
粉ミルク、おむつ、生理用品なども上記と同様に必要なものです。
それらを適宜、リュックに詰めておいてください。
備えあれば憂いなし
ただ、備えがなくても、今この時憂うわけではありません。
でも、事が起こった時、備えがないと確実に後悔します。
人は漠然とした未来のことは、想像し難く、どうしても人事のように感じてしまうものです。
だから、漠然とではなく具体的に真剣に考えてほしいです。
災害時に家族間の取り決めはありますか?
家の中で危険な場所はどこですか?
水や電気といったライフラインが遮断されたらどんな生活になるか想像できますか?
持病のある人は、自分の薬の名前を言えますか?
一人ひとりの備えが十分であれば、自衛隊の方・市や県の職員の方・ボランティアの方の負担は確実に少なくなります。
援助する方の中には、自分自身が被災した方も多くいます。
それでも、皆のためと思って懸命に動いてくれています。
皆がそこまでしろとは言えませんが、備えだけはしてください。
自分のため、ひいてはみんなのために。